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幸運ルーキーとくまさん観光
女神塔千年紀 どん兵衛とタマとラッキー勇者
階層中心点に設置されたソルクリスタルの穏やかな光を浴びて、旅人が一人、稜線を登るように進んでいく。
稜線の陰から、爬虫類特有の甲高い咆哮ともに、体長六メートルほどの恐竜が飛び出した。
「骨格Tレックスタイプ。呼気から腐臭は無い。生肉食い、フレッシュイーターだ」
旅人は自分の右耳に指を触れた。微かに発光する部品。顎の脇にも同じようなものが張り付いている。女神塔特製スカイプ。便利アイテムだった。
俊敏極まりない牙の攻撃を、薙ぎ払う尻尾の一撃を、軽々と躱しながら、旅人はスカイプのマイクに語りかけた。
「初心者キラーだな、よし。狩っちゃえ。タマ」
その声に合わせて、小さな影が飛び出し、フレッシュイーターに襲いかかった。
「このタイプの生き物の弱点は?」
「首の付け根」
タマと呼ばれた影は即答し、両断されたフレッシュイーターの頭部が、勢いよく跳ね飛んで行った。
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