女神の呪い

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女神の呪い

その発端は解らない。ある日、女神が降臨影向(こうりんようごう)し、ぽかんとしていた大衆に向かって言った。 「良い子のみんなーこーんにーちはーw!女神の庭へようこそーw楽しく攻略しーてーねーんふふーんwwww」 と、その場に居たらぶん殴ってしまいそうなことをほざいて一方的かつ唐突にゲームは始まった。 このゲームが階層踏破型のレベル性MMOであることに気づくのに、人類は死山血河を築き数百年を要した。 一階層隅の祠で女神のバカ話を聞かされ、次いで北東の丘陵地帯を超えた始まりの町を超え、後はひたすら北上、洞窟の奥にいる小ボスを撃破。 その後10階層ごとに現れる階層主を狩りながらどこまでも登っていく。 このざっくりした攻略法を知る者は殆どいなかった。 訳が解らないまま放り出され、モンスターに襲われ、生き残れるのは僅かだった。 その僅かな数のほんの数割が、その攻略法に気づいたとして、そもそも生き残れる保証はない。 ゲームオーバーはそのまま死が待つこの状況で、一歩前に歩を進める勇気のあるプレイヤーは、本当に極僅かだった。 既にゲーム攻略を投げてしまったプレイヤーの中で、ポツポツと頭角を表す者が出てきた。 そういった者が、貯めに貯めた貯金を抱えてファスートの町に降り立った時、世界が動いた。 それから数百年、ファスートの町は、どこに出しても恥ずかしくない、立派な不夜城となった。 東京都と変わらない面積、立地、まさにアナザートーキョー。 物語はそこから始まる。
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