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軽自動車開発
高橋健二は32歳。筑波大学工学部を卒業して、健二の父の経営する中小企業”テクノフロンティア”に就職した。
この会社は古くから大手自動車会社、日進自動車の車両開発の一部を外注請負しており、従業員、若干50名の会社であったが、その技術力の高さと仕事の正確さから、日進自動車の開発部門でも一目を置かれていた。
この時、健二はテクノフロンティアの開発本部長として、10名の部下と共に、日進自動車の相模原にある技術開発事業所”テクニカルセンター日進(TCN)”に常駐し、2年後に生産開始を予定している新型軽自動車の車体設計全般の開発業務に携わっていた。
日進自動車の開発部門では、開発の副社長の下に、車両セグメント毎の開発常務がおり、その下のプログラムエンジニアダイレクター(PED)が、各新車開発プロジェクトの開発統括業務を行っていた。
この時、健二のチームは2週間後に迫った新型軽自動車の開発完了会議に向けて、夜を徹して、最終開発課題に取り組んでいた。
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