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その夜は、久しぶりに一人で飲みに出かけた。自棄酒だった。
最後の町田のバーを出たときは、もう日付が変わっていた。
こんなに深酒したのは、久しぶりだった。でも、これでもいつもの帰宅時間より早い・・
もう、最終電車でも自宅に帰れなかったので、タクシーでも拾うかと店を出た。
頭が、ボーっとしていた。バーから駅までの道は、車が1台分やっと通れる幅だった。
前から高級車が近づいて来る。健二は、避けようと右にステップしようとしたが、足元をしっかりみておらず、何かに躓いて、転んでしまった。
車の急ブレーキの音が聞こえる・・
「大丈夫ですか?」
女性の声が聞こえる。しかし、健二はそのまま意識を失っていた。
目を覚ますと、ベットの上だった。健二は、昨日の服装のまま寝ていた様だ。
時計を見ると7時。出勤する時間が近づいていた。
良く見渡すとここは自宅ではない・・知らない部屋だ。
(ここはどこだ?)
寝室を出ると直ぐにリビングだった。台所に女性が立っている。20代半ばの目を見張る様な美人だ。
「目覚めました? 昨日、車の前に倒れた時は、びっくりしました」
その女性は話した。
「ここは? 君は?」
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