タマシイ狂奏曲

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なんでも生前が訳ありな俺のような魂は特例として、試験があるんだとか。 俺の場合はまあ、敗者復活戦のようなものらしい。 なんせ植物状態になった原因は、俺自身の素行の悪さだったからな。 試験は『現世で一番会いたかった人に会いに行き、心を込めて想いを伝えてくる』 とか、何とも子供騙しで失笑ものの内容だ。 この試験で見事合格点が貰えれば晴れて天国に行けるそうなんだが… 「オイ閻魔のおっさん。 そんな回りくどい事させねぇでもよ。こっちはあんたの弱み握ってんだから充分だろう。」 「フフン。そんなものは日常茶飯事すぎて今更誰も驚きやせんわ。 黙って試験に挑まんか。この死に損ないが。」 髭オヤジはドヤ顔でのたまうと、一息で俺を天界の外へ吹き飛ばしやがった。 これがバーチャルゲームなら、あいつを真っ先に裁いてゲームオーバーにしてやるのに。 てか、どんだけ真っ黒なんだ天界。 納得のいかないままに、俺の体は とある思い出の場所へ着地していた。
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