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「ふーん。そうなのか」
アーサーが釈然としない返事をした瞬間、
「あったよ!あったよ!」
エミリのはしゃぎ声が聞こえてくる。私達がその方向へと出向くと、深紅の光を放った槍が魔法陣のど真ん中に立てられていた。
「これが、ホーリートライデントか……」
グランがため息をつきながらそう漏らすと、
「凄い光ですね。でも、何か思っていたよりもオーラが違うような……」
と、ケントが一抹の不安を口にした。そんなケントを見ながらも、エミリはどこ吹く風。
「ま、ま、細かいことは気にしないの!さ、勇者様っ!早く早く!」
エミリはそう言うと、アーサーの背中を押した。
「すごいオーラを感じる……」
アーサーはそう言って唾を飲み込み、おそるおそる槍を手に取った。そのとき、
「うぐおおぉぉぉぉぉぉお!」
アーサーはこの世のものとは思えない雄叫びをあげた。アーサーは身体に赤色のオーラをまとっている。そしてアーサーは後ろを振り向く。
「すごいすごい!勇者のオーラってすごいんだね!」
エミリはそう歓声をあげるが、グランとケントは何やら複雑そうな顔をしている。
「ちょっとー!お兄ちゃん!どうしたのさぁ?」
折角苦労してホーリートライデントを手に入れたのに憂いを含んだ顔をしているケントに対し、エミリは不思議そうな表情で問いかける。
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