呪いを解く方法を捜せ!

2/3
前へ
/18ページ
次へ
「ねぇ、お兄ちゃん、静かすぎてつまんない」  退屈な表情を露わにしているエミリをよそに、ケントは本を捜し続ける。 「呪い呪い……あった」  歩き回ることおよそ30分。ケントは「呪術学・寛解学」のコーナーを見つけ、そうつぶやいた。 「この中にあるのか?探すの大変だぞ?」  グランは身の丈の3倍以上はある本棚を見上げながらそうつぶやいた。 「でも、やるしかないですから」  ケントは片っ端から本を開いていく。  30分経っても、1時間経っても、心当たりになる本が見当たらない。 「ふぅ……」  ケントがため息をついたそのとき、トントンと肩が叩かれる感じがした。振り向くと、フサフサの白髪で眼鏡をかけた年配の男性が立っていた。 「ヨハン先生!」  ケントは高い声でそう年配の男性にそう言う。ヨハンは呪術学の教授であり、ケントもその授業に出席している。ヨハンは声こそ小さいが言い回しなどがとても分かりやすく、多くの学生から慕われている。 「何か、お探しものですか?」  ヨハンはそうケントに問いかける。 「実は、困ったことになりまして……」  ケントは事情を説明した。 「なるほど……」  ヨハンはそう言って右手でクイッとメガネを直した。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加