洗脳形ハーレム

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 薬局を出て、探索を続行。 薬局前の道は、ゾンビと出くわした場所に繋がっている。 2人は今回の探索で、周囲の地理を完全に把握した。後は扉の向こう、何かしらの施設に入っていくのみだ。 扉の奥に入っていく勇気は出なかったが、そろそろ踏み込むべきだろう。  帰宅後、簡単なファッションショーが始まった。 装備の確認である。中型拳銃に使えそうな弾丸のパックを発見できたが、拳銃など触った事がない。 むしろ期待できるのは金属バット、シャベル。 「佐々石さん、これ使って」 「え、でも私」 「恐いとは思うけど、俺もいつどうにかなるかわからないし。いざっていう時に慣れておいた方がいいよ」 「けど、私……」 「ごめん。ゆっくりでいいから」  あまり突っつきすぎると逆効果だろう。 自分の身くらい自分で守って欲しいのだが、凶器を生き物に振り下ろすのは世間的には難しい事なのか?  満貴は…どうという事は無い。いつも社会的立場を考えて堪えるだけなので、制約さえなくなってしまえばこんなものだ。 勿論、手の中に残った感触は生々しかったが暴力そのもの、自分が殴る方に限って言うなら、嫌いではない。  翌朝、満貴と楓は2度目の探索に出発。 昨日とは違い、楓は歯磨きが出来たので、スッキリした表情をしている。 シャンプーやボディーソープも満貴が使っている品ではない、自分でセレクトしたもの。 もっとも、男性と同じ浴室―当然だが、一緒に入ることは無い―には、今だ慣れていない。  また、満貴に対して、警戒ではなく恐怖を覚えるようになった。 保護されている身の上の為、表立って距離を取ることは無いが、生物に何の気の無しに凶器を叩きつける姿が恐ろしく感じる。 もし、あれが自分に振り下ろされたらと思うと……。  満貴の懸念通り、店舗内での戦闘は厳しかった。 身体能力の向上に慣れ、主導権を握れなかった場合、袋叩きにされていただろう。 とはいえ、楓を守りながら戦う事になるので、スムーズに倒す事はできない。 下に向かう階段は和食店らしい店舗スペースに、後から付け足されたようにカウンター前に四角い口を開けていた。 「…先に行くから、ついてきてくれます?」 「ついてきますから、置いてかないでください!」
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