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今年のラムネはいつもよりもちょっとだけ辛い《からい》ように思え独り顔をしかめた。
昔から変わらない青色の透き通る瓶の中にカランとビー玉の転がる音が僕の心に虚しく響いた。
去年まで僕と一緒にラムネを飲んでいた幼なじみの知美に僕じゃない彼氏ができた。
だから僕は今年からは知美の彼氏に遠慮して知美と距離を置くことにする。
間違っても「好きだ」と言って困らせてしまわないように、
せめて友達のままで居られるように。
「……やっぱ辛い《つらい》な」
空になった青色のラムネの瓶の中でカラリとビー玉が転がっていった。
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