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午前6時00分、宇宙船『新生』は火星へと向けて地球を出発した。
総工費100兆円を超えるプロジェクトは、当初誰も見向きをしなかったが、地球温暖化、人口増加が急速に進むにつれ、企業の参加だけでなく、一般参加も増え続け、総工費見積以上の金額を回収する事ができた。
そして更に参加が増え続け、回収した金額でより良いプログラムへと変更されていった。
『人』から募集した宇宙船の名前は、旧愛知県に住んでいた中学3年の『加藤 優』(かとうまさる)くんが考えた『新生』(しんせい)に決まった。
火星で新しく生きる。
生き方を新しくする。
そういった意味が含まれているらしい。
その『新生』には、旧日本に住んでいた人口の8割が乗せられた。
『新生』に乗った人口とは、人の数の事で、人口増加を加速させたAIは含まれておらず、人数にすると1000人にも満たなかった。
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