未来

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…… …… …… またイチと2人きりになった事で、少し緊張する。 お互い無言の時間が過ぎ、すぐに首相が来てしまうのではと思い、イチを見るが、なかなか声がかけられなかった。 …… 「…あ」 「…その、」 …… イチへ話そうと声を出したら、イチも同じタイミングで私へ話しかけ、お互い話す前に止まってしまった。 「…あ、イチからお願いします」 先に話してもらおうと急いで言葉を出すと、なぜか敬語になってしまい、少し恥ずかしくて顔が熱くなる。 イチはそんな私を見て少し笑った。 さっきのイチとはまた違っていて、驚きと嬉しさが湧く。 …… 「……ごめん」 「え?」 笑顔に安心したところへ、イチが急に謝る。 謝るという行為で一瞬で不安が安心を飲み込み、体も硬直する。 そして、イチは私へと近づき、私の目をじっと見つめた。
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