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カウントダウンで会いたくて
「亀和田大智です。どうぞよろしくお願いします!」
教室内が一気に色めきたった。イケメン、高身長、インテリ眼鏡の教育実習生の登場に。でも私の心臓は、違う意味で今にも爆発しそうだった。
「伶奈、ヤバいヤバいヤバい」
「え、何、何」
たまらずに、前の席に座る伶奈の背中をつつく。
「あの実習生、前話したバイトの残念イケメン!」
「マジ? 全然残念じゃないじゃん。イケてんじゃん」
「うん、なんかめっちゃイメチェンしてる。やけに爽やかだし、やる気に満ち溢れているし」
「結花のこと、気づいてる感じ?」
「わかんない」
動揺が止まらない。なんで、亀ちゃんがココに? あの、ドジでのろまな亀ちゃんがどうして!?
私が取り乱している理由を説明するために、時計を半年ほど戻そうと思う。レッツ・タイムワープ。
「綿谷さーん、ちょっとお願い聞いてくれる?」
その日バイトに行くと、店長の天野さんに呼び止められた。
「はい、なんでしょう」
「亀和田君のバイト指導なんだけど、綿谷さんにお願いできるかな」
「私がですか!?」
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