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最後までギャルズに囲まれていた亀ちゃんを、私は遠くから見送った。
「泣き明かしたかったら、付き合うからね」
伶奈の言葉が、せめてものなぐさめだった。
「……オーダー、入りまぁす」
「どうしたどうした? 綿谷ちゃん。最近いつもの元気がないんじゃないの?」
岩さんの指摘もごもっともだった。亀ちゃんと二度目の別れをしてから、バイトでも学校でも、いつもの『ポジティブ』が溢れてこなかった。
「綿谷さーん、また新人さんの指導お願いしてもいいかなぁ?」
店長の声に、(もしかして?)と、動きが止まったけれど
「よろしくお願いしまぁす」
現れたのは亀ちゃんではなく、女子高生らしき女の子だった。せめてため息だけはつくまいと、大きくひとつ深呼吸をした。そこへ、
「いらっしゃいませー! サニーズにようこそ! 何名様ですか?」
お客さんの入店を告げるチャイムが聞こえてきて、自分を元気づけるように大きな声を出して振り向いた。と、そこには
「か、亀ちゃん!?」
「一名でお願いします」
スーツでもない、バイトの制服でもない、シンプルなシャツにパンツ姿の、普段着の亀ちゃんがお客さんとして立っていた。
「ホットコーヒーをひとつと、季節の盛りだくさんパフェをひとつ、お願いします」
「……かしこまりました」
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