11人が本棚に入れています
本棚に追加
「――つまり、私は馬鹿なことをしているってこと?」
「そうなるな。つか頼むから何処かに行け。ここは俺の聖域だ」
「性域?」
「よし分かった。幽霊でも物理的に死ぬのか試してみるわ」
冗談で言ったつもりの言葉を真に受けた男が……殺意の波動に目覚めたようだ。
ゆっくりと立ち上がって男は……
……何故か、台所から『瀬戸内海の塩』が入った袋を持ち出して。
「…………え、ちょっと……それ、マジでやるの……?」
その袋を、野球ボールを投げるかのように構えた男。
それはもうすぐその袋を投げることを意味して。
その袋は私にぶつけると言うことで。
「…………三」
カウントダウンが始まったようで、あと二秒以内に私はそれをぶつけられると言うことで。
「…………二」
あんな大量の塩が入った袋を全力投球されたら死にそうだなぁ……と思いつつ。
「…………一」
残り一秒になった時点で、私は――
「ごめんなさいお邪魔しましたああああああああああ!」
『死』――と言う未来から逃げる為に私は窓から逃げようとして突進する。
――が。
「へぶ――ッ!?」
何故か、私は窓をすり抜けることが出来ず窓に激突して、そのままずるずると床に落ちていく。
…………なんで?
最初のコメントを投稿しよう!