訪問

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「因みに言い忘れていたが、最近この部屋にオタクみたいな幽霊が来るから、窓にお札を貼ってあるんだわ。お蔭で最近の幽霊は部屋に入れねぇのなんの(笑)」 「そ……そんなの、あり…………?」  絶体絶命……とはこういうことを言うんだろうか。  前門のお札、後門のお塩。  幽霊である私にとって、最強の武器の二つが私を逃がすまいとしている。  もはや逃げられなくなった私……幽霊になって初めての“衝撃”で意識が朦朧としてきた。  嗚呼、死んでも私はこんな風に悲しい運命をたどるのかぁ……何だか悲しいなぁ。  ほら、男が袋の中に手を突っ込んで塩を一つまみして。  それを私に振りかける……と。 「いだだだだだだだだだだ!? いったぁあああああああい!」  塩の中でも塩分高めである『瀬戸内海の塩』は容赦なく私の身体と言う身体をチクチクしながら攻撃してきた。  それが一度ならず二度までも……三度も四度も!  次々と襲ってくる塩に、私はなす術も無く負けた。
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