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「――――――」
目の前にいる男が顔をこちらに向けたまま腕を伸ばした。
まだ理解が追いついていない証拠だな。まあ、そのようなこともないわけではないから別に良いか。
しかし……その、なんだろう?
なんで不法侵入者と間違えられてもおかしくないような私を視ても何も動じないの?
このまま何もしなかったら、私は玄関の扉に尻だけを出したままの変態になるんだけど……
しばらく様子を見ていると――
「あ、もしもし警察ですか? 今私の家に不法侵入者が――」
…………あ、ヤバい奴だこれ。
「ええ、そうです。今すぐに――」
「待って待って待ってぇええええええええええ――ッ!」
私は迷わず声を荒げて男の行動を阻止した。
いや、信じたくないが、信じざるを、止めざるを得なかった。
だって……幽霊を視て冷静に“警察に通報”するか普通!?
どんな神経してんだよ、頭大丈夫か!?
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