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【勝山 ひさし 遺体発見現場】
鑑識の人が見つけた。
この巨大な薪割り用の斧、現場から
10メートルくらい離れた草むらで、
発見されたわけだが、型としては
薪割り用だが、こんな大きな物を
簡単に振り回せるのだろうか。
刃渡り30センチ強、人の頭を隠せ
そうだ。柄の長さは1メートルくらいか。
太さに関しては、ペットボトルほど
あるのではないか?
いや、それは大げさだがそれくらい
の迫力がある。
刃先には乾いた血の跡がついている
凶器は、これと見て間違いなさそう。
すぐに遺体の血との照合をしないと
「もし、これが凶器だとしたら
ホシ(犯人)は、男の反抗ですかね?」
先輩の滝山は、唸りながら答える
「まあ、そう考えられるかもしれない
この大きさ(凶器)だと、一般の女性
が扱うとしたらしんどいはずだからな
だが・・・」
重ねるように勝山が言う
「例え男女関係のもつれだとしても
今回のは、常識の範疇を超えている
気がするんですよ。猟奇的な犯行も
視野に入れておいたほうが・・・」
滝山も、重ねるように
「つまり、まだ次の犯行が起こる
可能性もあるわけだ。」
「その可能性は高いです。これは
まともな人間がやる事ではないです。」
「だとしたら、厳戒態勢をしく必要
が出てくるな・・・」
その時、部下のひとりから声が
かかる
「滝山警部!ガイシャ(被害者)の
身元が分かりました!」
勝山が
「え!もうわかったの!」
「はい、近くにこんなものが」
そう言って、勝山が受け取った物は
免許証だった
それは、近くの遊歩道落ちていたと
言うが、慌てて落としたのか、
それともわざとそこに置いていった
のかはまだ不明だ
しかも、身元がこんなにも早く判明
するとは・・・
被害者の身元がわかるようにしたのか
それとも・・・
何かここまで、酷い殺し方が出来ると
したら動機は怨恨か
免許証の写真と遺体の顔と照らし合わせ
てみる。かなり恐怖に歪んだ顔とは言え
本人のものとして間違いなさそうだ
被害者の名前は
昼野 順 34歳
ショートヘアで体型は痩せ型
近くの病院で理学療法士として
働いていた。
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