昔馴染み

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「せいぜい、悪逆非道のお妃としての練習をさせてもらうな。」 レオニードはそう返してから劉祜につかみかかると、先ほど部屋を出ていったあの男にしたように、足を払って、それから劉祜の体を床にたたきつける様にした。 首を狙わなかったのは殺すつもりがないから。そこだけは先ほどとは違う。 劉祜はよけることもせずこちらを見上げる。 レオニードが確かに怒っていることを劉祜は知っていた。 だから態とこうやって引き倒されている。 「あいつは俺の部下にする。 護衛部隊を作って仕事をしますから」 レオニードはそれだけ言うと劉祜を見下ろして部屋を出た。 あの場所にもう一度戻りたいと劉祜が願うのなら、レオニードは自分のできることをしようと思った。 あの場所でレオニードは自分の動かせる駒がほぼ無い状態だった。 ユーリィは二人きりの中よくやってはくれていたけれど、一人だけではできることに限りがある。 あの場所に戻って劉祜があの日の続きをするというのなら。レオニードはそう思いながら昔馴染みの戦友が閉じ込められている部屋に向かった。 まずは非礼を詫びるところからだろう。 彼は、あの悪逆非道の王妃様がレオニードだと言ったら彼はどんな顔をするだろう。 先ほどは許してくれそうな雰囲気だったけれど大丈夫だろうか、と思ったところで軍隊時代本気の殴り合いは日常茶飯事だったことを思い出す。 この先のことを考えながらレオニードは歩みを速めた。 二人にこれから、どんなことがあっても離れるつもりは無い。そこがどこになるのかというだけだ。 彼が暴虐王に戻る必要があるのならレオニードも必ず彼の隣にいたい。 それであれば―― まだ見ぬ未来に向けレオニードは一歩一歩歩を進めた。
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