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御披露目
「マリネ・・・なの?」
夕飯で家族揃って食卓に着き、いざ食べ始める際にお母さんが聞いてきた。
「そうだよ。お母さんも昔してたでしょ? 女幹部になったんだよ」
「あ、その黒歴史は言わないで、若気の至りだったの。もうあんな恥ずかしい過去、忘れさせて!」
「そんな母さん。君が女幹部じゃ無かったら、僕との出会いは無かった事になってしまうよ」
「それもそうね。恋愛して子供が産まれたから、幹部を辞めたのだし。続けずに済んだのだから良かったのよね、貴方」
「母さん・・・」
「ねぇ、食事中にイチャイチャしないでくれる?」
「あら、御免なさい。お父さん。マリネに危ない事だけはさせないでよ?」
「ワシが可愛い孫に怪我させる様な事、させる訳無かろう。壁役も、脱出方法も万全じゃ!」
「負ける前提なんだ」
「今の所、助っ人に勝てる算段がついておらんからのぅ」
「会議は今夜もやるの?」
「お披露目の後、するつもりじゃ」
「じゃあ私も参加する。女幹部として、怪人達を先導してあげないとね」
「若者の発想は大歓迎じゃ。もしかしたら、打開策が見つかるかも知れん」
~夜、某所~
「皆の者、待たせたの。お前達の望み通り、JKの女幹部を連れてきたぞい!」
「「「「まじか!?」」」」
「まじじゃ、紹介しよう。悪の女幹部、その名も『クイーンヴァロス』!」
お立ち台から煙が吹き出して、下から私がゆっくりと昇降機で登って来る。上昇が止まり、煙がはれて私の姿が公衆の面前にお披露目された。
「うおー、金髪!」「巨乳!」「ツインテール!」「女王様ー!」「「「JK!!」」」
「静かに!」
私の第一声で、怪人達が一斉に口を閉ざす。
「私が今日からお前達のお望み通りの女幹部である!今までの様な、腑抜けた敗北は二度とするんじゃないよ。私のご褒美が欲しかったら、助っ人なんかに遅れを取るな! 解ったら返事!」
「「「「イエッサー!!」」」」
「宜しい。所で私の壁役は誰なの?」
「ハイ、私バリア怪人と」「この俺幻影怪人二人でお守りします!」
「えーと、バリアで私を包んでおいて、万が一の保険で相手に幻影で居場所を誤認させる、で合っているかしら?」
「「その通りです!」」
「なら貴方達は私の直属の部下として、最初のご褒美をあげる。そこに這い蹲りなさい」
「「ハイ、喜んで!!」」
「ムチをお望みだって聞いているから、ちゃんと装備して来たわ。二人の背中で試し打ちさせて貰うわよ!」
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