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「もし、あれが本物だとしたらさぁ」
「うん」
「選ばれたら死んじゃうんだよね?」
「うん。本物なら、たぶん」
「そっか……」
「えっ、どうしたの?」
彩絵の顔が曇ったので、咲良が慌てる。
「だって私、咲良以外に仲が良い子がいないから、投票されてるかもしれないなぁって……」
彩絵は自分で言っていて、泣きそうになって来た。
「そんなことないよ。あるわけないじゃん」
咲良がすぐに取り繕ってくる。
「でもさぁ、とりあえず誰かにって思ったら、大して仲良くもない相手にって思うでしょ?」
「それは……まぁ、そうかもだけど。でも、他にもいっぱいいるじゃん」
「例えば?」
「えっと……大沢さんとか、宮崎さんとか、後橋本もいつも一人でいるし……男子だって新庄とか」
「でも、そう多くはないよね? っていうことは、五番目くらいには私が選ばれるってことだよね?」
「そ、そんなことさせない。彩絵は絶対に私が守ってあげるから」
まるで愛の告白みたいなことを言われて、また彩絵はドキッとした。
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