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「とりあえず教室に向かいましょう」
林は拓也と穂香を促すと、校長室から出て行こうとする。
穂香は拓也が歩き出すのを待って、その後ろに続いた。
「今回25年ぶりに生贄投票プログラムが現れたと、インターネットを監視している担当者から報告が入りましてね。それで捜査を開始したのです」
歩きながら林が話を続ける。
「そうしたら、すぐに昨夜のあなたたちの動画に行きつきましてね。それでこうやって、学校にお邪魔したというわけです」
「は、はぁ……」
拓也が返事に困って、相槌を打った。
「犯人は、生贄投票禁止法という厳しい罰則があることを知っているのでしょうかねぇ?」
「さぁ……」
また拓也が困ったような顔で相槌を打つ。
「なぜ犯人は、君たちのクラスを狙ったのでしょう。何か心当たりはありませんか?」
「えっ! い、いや、ありません」
「そうですか……。橋本さんはどうです?」
「え? わ、わ、私ですか?」
そんなことを聞かれても、当然心当たりなんてあるはずがない。
「何もありません」
穂香は警察官に疑われたような気がして、心臓がドキドキした。
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