第4章 始まった不安との戦い

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「それより、昨日のあれって本物だと思う?」 華が聞いてくる。 「どうかな? 悪戯なら良いんだけど、でも、そういうのを取り締まる厳しい法律が出来てるらしいから、そういうことをするバカはいないんじゃないかって」 「ふ~~ん。誰が?」 「え?」 「いや、それ、誰に聞いたのかなぁと思って」 「ああ、涼ちゃんだよ。陸斗のママ」 「あ、ああ、デザイナーのRYOKAね」 華が頷いた。 「昨日……っていうか、今日だけど、生贄投票が来てから、陸斗のパパとママがうちに来て、万が一本物だったらどうするっていう、話し合いをしてたんだよ」 「へぇ」 「そのせいで睡眠不足で、遅刻ギリギリになっちゃったんだ」 「そっか。RYOKAも、美沙希のママも、前回の生贄投票の当事者だもんね」 「うん」 美沙希が頷いたとき、担任の熊野三恵が、学年主任の田中晴弘と一緒に教室に入って来た。 「はい。席について」 それを機に、一斉にみんなが席に着く。 「え~~~~ちょっと皆さんに聞きたいことがあります」 全員が着席したのを待ってから、学年主任の田中が口を開いた。
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