第4章 始まった不安との戦い

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「このクラスの皆さんのスマートフォンに、突然生贄投票というのが現れたと……そういう情報があるのですが、間違いありませんか?」 田中の質問に対して、お互いの様子を伺っているだけで、誰も答えようとしない。 「どうですか?」 田中は一番前の席の、亀山孝道に聞いた。 「来ました」 亀山は小さな声で答える。 「他の皆さんはどうです? 逆に来てない人は手を上げて」 田中は肘より上を、上に上げた。 「誰も上げないと言うことは、全員来たと言うことですね?」 そう言われて、それぞれが声には出さず頷く。 「そうですか……。どうやら出まかせではなかったようですね」 田中は担任の熊野を見る。 「ええ……でも、何でうちのクラスに」 熊野は不安そうな顔をした。 「さぁ、それは私にも……」 田中は首を振る。 そのとき廊下が騒がしくなった。 複数の足音が、この教室に向かって近づいて来ているようだ。 全員が音のする方向に注目した。
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