第4章 始まった不安との戦い

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ガラガラと大きな音を立ててドアが開くと、次々とスーツ姿の男たちが入って来る。 その数、六人。 いったい何事が起きたのかと、みんな事の成り行きを静観した。 「え~~~皆さん。スマートフォンを机の上に出してください」 中央に立った男が発言する。 「え?」 クラスの中がざわめいた。 「私は警視庁公安部サイバーテロ課の戸田と言います」 男はポケットから警察手帳を取り出して、生徒の方に向ける。 「サイバーテロ?」 田川竜が口を開いた。 「昨夜皆さんのスマートフォンに、生贄投票が現れたという情報を受けまして、我々はここに来ております」 「何で警察が?」 「とにかく全員、スマートフォンを机の上に出してください」 言葉遣いは丁寧だけど、威圧的な態度に圧されて全員がそれに従った。 「おい」 戸田が他の捜査員に声をかけると、他の五人がそれぞれの列ごとに向かう。 「これに名前を書いてください」 一番前の席の栗原まどかは、捜査員にペンと名前を書き込めるシールを渡された。
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