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「えっ」
「早くしてください」
「えっ、あ、はい」
まどかはペンでシールに名前を書く。
捜査員はすぐにペンとシールを回収すると、シールをまどかのスマートフォンに貼って、持っているバッグに入れた。
「おい、ちょっと待てよ」
まどかの隣の席の、新見利成が文句を言う。
「何でしょう?」
「俺のスマホ、どうすんだよ?」
「全て押収です」
教壇の前の戸田が冷めた口調で答えた。
「そんな勝手なこと、困るよ」
「申し訳ありませんが、これに関しましては、そういう法律に基づいてのことになりますので、如何なる苦情も受け付けかねます」
「ふざけんな! 警察の横暴が許されんのかよ!」
まだ回収されていない田川竜が、後ろの方から怒鳴った。
「横暴と言われましても、我々は職務を遂行しているだけですから」
「これって任意でしょ? 任意の捜査協力なんですよね?」
成績優秀で頭の良い豊川大翔が口を出す。
「いいえ、残念ながらこれは、任意ではなく強制執行です」
「そんな」
「捜査が終わればすぐにお返ししますので、そこに関しましてはご協力お願いします」
戸田は相変わらずの冷めた口調で答えた。
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