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「許されるんだよ。こと、この案件に関してはな」
戸田が田川を睨んだ。
「そんなバカな」
「バカな話でも何でもない。我々サイバーテロ課特殊犯罪対策室が取り扱う事案は、警視庁が扱う一般的な案件とは違うのだ」
「はぁ? 意味分かんねぇし。言っとくけど、SNSでありのままに上げてやるからな」
田川竜は負けずに言い返す。
「まぁ、それに関しては好きにすればいい。それによって炎上という形で、民意が法律を変えることになるかもしれないからな」
戸田は田川に向かって、ニヤリと微笑んだ。
「ただ、今言えることは、現時点で君たちが我々に従わず、スマートフォンの提出を拒んだ場合、君たちは逮捕され、大学進学にも影響が出ると言うことだ」
「そんな……ふざけんなよ! 日本は民主国家だろ! こんな横暴なことが許されるわけがない!」
「まぁ、そう思うのなら、法務大臣に直接嘆願書でも書いて持って行けばいい。おい、作業を続けろ!」
戸田は部下の捜査員に向かって怒鳴った。
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