第4章 始まった不安との戦い

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授業が始まったものの、誰一人として集中して授業を受けている者などいない状況だった。 「はぁ、参ったなぁ」 美沙希は頭を抱えてため息を吐く。 涼花に、学校での状況を逐一報告するように言われていたのに、肝心のスマートフォンを警察に押収されてしまったのだ。 こんなことなら、普段は学校に持ち込まない、タブレットを持ってくれば良かったのだけど、まさか警察にスマートフォンを押収されるなんて、想定外だったのだ。 昨夜、涼花に生贄投票のようなプログラムを作ると、厳しい罰則が出来たというのは聞いていたけど、こんなに早く警察が動くとは思っていなかった。 何で警察は、こんなに早く生贄投票の存在を知って、この学校を特定できたのだろう。 さっき教頭先生と一緒にすれ違って、警察官と一緒に帰って来た、橋本穂香と須崎拓也が関係あるのだろうか? それは分からないけれど、警察に押収されたスマートフォンが、いつ手元に返って来るのかが問題だと、美沙希はそう思った。
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