第4章 始まった不安との戦い

35/40
前へ
/521ページ
次へ
美沙希は周囲のクラスメイト達を見回す。 生贄の発表は、明日の正午。 懇願場がなければ、明日の正午に何の前触れもなく、この中の一人が突然干からびて死んでしまうのだ。 その情景を想像して、美沙希は身震いをした。 さらに……問題はそれだけではない。 美沙希は生贄候補者投票リストに名前がないから、投票で選ばれることはないけど、スマートフォンが手元に返って来なければ、来週の投票が出来ないので、自薦立候補になってしまうのだ。 もし……。もし、誰も投票しなかったら、ここにいる全員が一斉に死んでしまうのだろうか? 昨夜のみんなの推理が正しければ、呪いの対象の女子生徒が一人死ねば、他のみんなは助かることになる。 つまりイヤな言い方をすれば、その子が死んでくれるまで生き残っていれば助かるのだ。 そう考えれば、何が何でも来週の投票締め切り日までに、スマートフォンを返してもらわないと……。 美沙希はそう思った。
/521ページ

最初のコメントを投稿しよう!

458人が本棚に入れています
本棚に追加