第4章 始まった不安との戦い

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一時間目の授業が終わると、一斉にクラスメイト達が生贄投票と、押収されてしまったスマートフォンのことで騒ぎ始める。 坂上華が美沙希に話しかけて来ようとしたのを制し、美沙希は教室を飛び出した。 急いで隣の教室に入ると、部活動仲間の柴崎ヒカルを探す。 「ピカちゃん!」 「あっ、ミサキ! A組大変なことになったらしいね?」 「そうなんだよ。スマホを警察に持って行かれちゃってさぁ」 「えっ、そうなの?」 「うん。それでごめん。ちょっとだけスマホを貸してくれない?」 「あぁ、うん。いいけど」 ヒカルは自分のスマートフォンを取り出して美沙希に渡してくれた。 「ありがとう。ごめんね」 美沙希はヒカルにお礼を言いながら、すぐに美奈都に電話をかける。 『もしもし?』 「あ、ママ」 『え? み、美沙希?』 「あ、うん。そう」 『えっ、何でこの番号?』 知らない番号からかかって来たから、ママは驚いたらしい。 「実はさぁ、さっき警察が学校に来て、クラスの全員のスマホを押収して持って行っちゃったの」 『え?』 「そういうことだから、とりあえず頻繁には連絡出来なくなっちゃったから」 『そう……。それは困ったわね』 美奈都がため息を吐いた。
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