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一時間目の授業が終わると、一斉にクラスメイト達が生贄投票と、押収されてしまったスマートフォンのことで騒ぎ始める。
坂上華が美沙希に話しかけて来ようとしたのを制し、美沙希は教室を飛び出した。
急いで隣の教室に入ると、部活動仲間の柴崎ヒカルを探す。
「ピカちゃん!」
「あっ、ミサキ! A組大変なことになったらしいね?」
「そうなんだよ。スマホを警察に持って行かれちゃってさぁ」
「えっ、そうなの?」
「うん。それでごめん。ちょっとだけスマホを貸してくれない?」
「あぁ、うん。いいけど」
ヒカルは自分のスマートフォンを取り出して美沙希に渡してくれた。
「ありがとう。ごめんね」
美沙希はヒカルにお礼を言いながら、すぐに美奈都に電話をかける。
『もしもし?』
「あ、ママ」
『え? み、美沙希?』
「あ、うん。そう」
『えっ、何でこの番号?』
知らない番号からかかって来たから、ママは驚いたらしい。
「実はさぁ、さっき警察が学校に来て、クラスの全員のスマホを押収して持って行っちゃったの」
『え?』
「そういうことだから、とりあえず頻繁には連絡出来なくなっちゃったから」
『そう……。それは困ったわね』
美奈都がため息を吐いた。
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