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「ママちょっと待って、ねぇピカちゃん。お願いがあるんだけど」
美沙希は電話の途中でヒカルに話しかける。
「何?」
「今日ね。うちのママと陸斗のママが、生贄投票事件の過去の出来事を調べる為に、奥多摩に向かってるの。それでどうしても緊急で私と連絡が取りたい場合だけ、ピカちゃんにラインかメールが入るようにしたいんだけど、良いかな?」
「あ、うん。まぁ、そういうことなら」
ひかるは一瞬だけ、迷惑そうな顔をしたけど、美沙希の必死な顔を見て頷いた。
「ごめんね」
美沙希はそれに気が付いて、申し訳なくて頭を下げる。
でも、ここは行為に甘えるより他に方法がない。
「あ、うん。で、どうすればいいの?」
「あ、じゃあ、メールアドレスを教えて」
「うん。分かった」
「ママ、今から言うメールアドレスを控えて」
『え?』
「同じ部活のピカちゃんって分かる?」
『ああ、よく話しに出て来る子ね』
「何かあったら、そのピカちゃんのメールアドレスに、メールを送ってほしいの」
『分かったわ』
美沙希はヒカルからメールアドレスを聞きながら、それを美奈都に伝えて電話を切ると、ヒカルに深々と頭を下げてお礼を言った。
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