第4章 始まった不安との戦い

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「ママちょっと待って、ねぇピカちゃん。お願いがあるんだけど」 美沙希は電話の途中でヒカルに話しかける。 「何?」 「今日ね。うちのママと陸斗のママが、生贄投票事件の過去の出来事を調べる為に、奥多摩に向かってるの。それでどうしても緊急で私と連絡が取りたい場合だけ、ピカちゃんにラインかメールが入るようにしたいんだけど、良いかな?」 「あ、うん。まぁ、そういうことなら」 ひかるは一瞬だけ、迷惑そうな顔をしたけど、美沙希の必死な顔を見て頷いた。 「ごめんね」 美沙希はそれに気が付いて、申し訳なくて頭を下げる。 でも、ここは行為に甘えるより他に方法がない。 「あ、うん。で、どうすればいいの?」 「あ、じゃあ、メールアドレスを教えて」 「うん。分かった」 「ママ、今から言うメールアドレスを控えて」 『え?』 「同じ部活のピカちゃんって分かる?」 『ああ、よく話しに出て来る子ね』 「何かあったら、そのピカちゃんのメールアドレスに、メールを送ってほしいの」 『分かったわ』 美沙希はヒカルからメールアドレスを聞きながら、それを美奈都に伝えて電話を切ると、ヒカルに深々と頭を下げてお礼を言った。
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