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「じゃあいったい、犯人はどうやって生徒のスマートフォンに、生贄投票のプログラムを送り付けたというんだ!」
ついつい林の声が大きくなる。
「それはまだ、何とも……」
「頼むぞ! 必ず犯人はいるんだ。ソイツがどんなに頭の良いヤツだろうとも、人間の考えたことなら、うちの解析班に解けないはずはない。そうだろ?」
林が部屋の中にいる解析班のメンバーに発破をかけた。
「人間が考えたものならですけどね」
山口が聞き取れない程の小さな声で呟く。
「何?」
林はそれを聞き逃さなかった。
「オマエはこれが、人間の仕業じゃないとでも思っているのか?」
「えっ、い、いえ……」
「いいか! 世界トップクラスの日本の警察が、世論に対して、生贄投票事件は全て幽霊の仕業ですなんて、そんなことが言えるとでも思っているのか?」
「しかし課長」
奥の方にいた徳重が口を出す。
「何だ?」
「25年前の事件のとき、生贄に選ばれた生徒は、突然干からびて死亡したと聞いています。そんなことが本当に人間に可能なんでしょうか?」
「うむ……」
林は言葉に詰まってしまった。
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