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「おい、起きろ」
俊明の声で涼花は目を覚ました。
「んぅうう~~~~~」
眠い。
「起きろってば」
うるさいヤツだ。こんなに眠いのに、起こすんじゃないよ。
「起きなくていいのか? 俺はもう仕事に行くぞ」
「何時ぃ~~~~?」
「もう7時だよ」
「えっ! 何でもっと早く起こさないんだよ!」
涼花は慌てて起き上がる。
「俺も今、起きたばっかりだって」
俊明があくびをしながら文句を言った。
「まったく、一秒でも時間が惜しいっていうのに」
「だったら自分で起きろよ。俺だって会議があるのに」
「何だと!」
「あ、いや、何でもない」
「息子の一大事だっていうのに、まだ会議とか言ってんのか!」
「だってしょうがないだろ」
「ショウガは八百屋に行きゃ売ってるだろ!」
「もういいよ」
俊明はため息を吐く。
「って、バカを相手にしてる場合じゃなかった」
涼花は大急ぎでスマートフォンを取り上げると、電話帳を検索し始めた。
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