第5章 地獄の始まりを探して

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「おい、起きろ」 俊明の声で涼花は目を覚ました。 「んぅうう~~~~~」 眠い。 「起きろってば」 うるさいヤツだ。こんなに眠いのに、起こすんじゃないよ。 「起きなくていいのか? 俺はもう仕事に行くぞ」 「何時ぃ~~~~?」 「もう7時だよ」 「えっ! 何でもっと早く起こさないんだよ!」 涼花は慌てて起き上がる。 「俺も今、起きたばっかりだって」 俊明があくびをしながら文句を言った。 「まったく、一秒でも時間が惜しいっていうのに」 「だったら自分で起きろよ。俺だって会議があるのに」 「何だと!」 「あ、いや、何でもない」 「息子の一大事だっていうのに、まだ会議とか言ってんのか!」 「だってしょうがないだろ」 「ショウガは八百屋に行きゃ売ってるだろ!」 「もういいよ」 俊明はため息を吐く。 「って、バカを相手にしてる場合じゃなかった」 涼花は大急ぎでスマートフォンを取り上げると、電話帳を検索し始めた。
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