第5章 地獄の始まりを探して

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一流デザイナーの仲間入りを果たした涼花もまた、師匠の美玲に(ナラ)って、後進にチャンスを与えてやりたいという想いを抱き、会社を設立したのである。 今の自分があるのは、全てあの時、自分を生かしてくれた美奈都のお陰であることに感謝し、社名にはどうしても美奈都と自分の名前を付けたいと思った。 そして色々と考え、美奈都を港にもじって英訳して、Port。涼花は涼しい花なので、Coolflower。 この二つを合わせて作った造語、ポトクルファーを社名にした。 そしてRYOKAブランドとは別に、今は五人の若手をポトクルファーのデザイナーとして起用しているし、すでに涼花の元から独立したデザイナーもいる。 涼花は今のポトクルファーで、ラインを持たせている若手のデザイナー、松井慎太郎の電話番号を呼び出した。
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