第5章 地獄の始まりを探して

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涼花はすぐに中井花枝に電話をかける。 しばらく呼び出し音が鳴ってから、花枝が電話に出た。 『もしもし?』 「あ、中井花ちゃんだよね?」 『えっ? だ、誰ですか?』 「ああ、アタシ山岡涼花だけど」 『えっ、え? 社長? 社長ですか?』 「うん、そう」 『あの、社長が何で?』 「松井ちゃんに電話番号を聞いてさぁ、それで急なんだけどお願いがあるのよ」 『えっ、社長が私にですか?』 「うん。そう」 『あの、それは、いったいどういう……』 「花ちゃんってさぁ、兄弟が探偵なんだよね?」 『あっ、いえ違います』 「えっ、違うの? そう聞いたと思ったんだけど」 『あの、兄弟じゃなくて従兄なんです』 「ああ、イトコか。そのイトコを紹介して欲しいんだけど」 『あ、はい。えっと……社長のお願いというのは、それですか?』 「そうだよ。今すぐ頼める?」 涼花は声に力を込めた。
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