第5章 地獄の始まりを探して

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「ちなみにその探偵さんは、どこにいるの?」 『同じ入間です。事務所は確か、川越だったと思いますけど』 涼花は頭の中で、埼玉県の地図を思い浮かべる。奥多摩からだと川越は入間よりだいぶん遠い。 「すぐに電話をして」 『は、はい』 「それで川越に行かないように、今から一軒立ち寄ってから、あなたのうちに行くから」 『えっ、うちにですか? あの、仕事は……』 「仕事は有給! 特別手当も付けてあげるから、いいわね?」 『あ、はい。でも……』 「でも、何よ!」 涼花はまた怒鳴った。 『松井さんに今日中に、任されている……』 「そんなのアタシが松井ちゃんに電話して伸ばさせるから、いいわね!」 『は、はい』 「住所は?」 『え?』 「あんたんちの住所よ!」 『すみません』 一々社長に怒鳴られて、花枝は本当に泣きそうだった。
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