第5章 地獄の始まりを探して

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「早速だけど、まず福岡家に向かうんだよね?」 走り出してすぐに、由紀夫が切り出す。 「あ、いや、先に入間」 涼花はルームミラーで、由紀夫の顔をチラッと見て答えた。 「いるま? いるまって、埼玉の入間?」 「うん。その入間」 「入間に何があるの?」 「あ、うちの従業員の子が入間に住んでいるんだけど、その子のイトコが探偵をやっているんだよ」 「へぇ、そうなんだ」 後部座席の由紀夫が腕を組んだ。 「何で? そんな遠くじゃなくても、近くに探偵事務所なんていくらでもあるんじゃないの?」 助手席の美奈都が口を挟む。 「いや、入間ならむしろ、奥多摩に近いよ。そっちの方が時短だ」 由紀夫がすぐに返した。 本当に由紀夫は頭の回転が速い。 涼花は心から、その存在が頼もしかった。
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