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「ほらみろ。全然大丈夫って言ってるだろ」
「そりゃあ、面と向かっては言えるわけないじゃん。ねぇ?」
「えっ、あ、え、そんなことはないです」
話を振られて、花枝は慌てた。
間違っても、社長を怒らせてはならないのだ。
「ほらみろ。そもそもアタシほど社員想いの社長はいないって自負してるのに」
「へぇ~~そうなんだ」
「そりゃそうだって、この世界なんて、本当に下の子にチャンスなんて中々回って来ないんだから、そのてんアタシなんて若い子に……あっ」
社長がこっちに目を向けて来た。
「はい?」
「そういえば松井ちゃんに、花ちゃんを休ませるっていう電話をしてなかった」
「えっ! じゃあ私、無断欠勤ですか?」
「いや、ごめん、ごめん」
悪びれずに謝られても……。
花枝は松井の怒鳴る顔を想像し、泣きそうになった。
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