第5章 地獄の始まりを探して

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「ほらみろ。全然大丈夫って言ってるだろ」 「そりゃあ、面と向かっては言えるわけないじゃん。ねぇ?」 「えっ、あ、え、そんなことはないです」 話を振られて、花枝は慌てた。 間違っても、社長を怒らせてはならないのだ。 「ほらみろ。そもそもアタシほど社員想いの社長はいないって自負してるのに」 「へぇ~~そうなんだ」 「そりゃそうだって、この世界なんて、本当に下の子にチャンスなんて中々回って来ないんだから、そのてんアタシなんて若い子に……あっ」 社長がこっちに目を向けて来た。 「はい?」 「そういえば松井ちゃんに、花ちゃんを休ませるっていう電話をしてなかった」 「えっ! じゃあ私、無断欠勤ですか?」 「いや、ごめん、ごめん」 悪びれずに謝られても……。 花枝は松井の怒鳴る顔を想像し、泣きそうになった。
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