第2章 生贄候補となった者達

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美奈都たちが帰ると、涼花は片づけもそこそこに、さっさと入浴を済ませて、寝室へと向かう。 ベッドではすでに酔いの回った夫が高いびきで眠っていた。 「おい、起きろ」 「ん、んんん?」 「起きろってば」 涼花は俊明の身体を揺すって起こしにかかる。 「どうした? 何なんだよ?」 俊明は寝入りばなを起こされて、不機嫌な顔をした。 「なぁ、エッチしよ」 「ん? 何言ってんのオマエ?」 俊明は呆れたようにため息を吐く。 「何って、夫婦の大事な営みをしようって誘ってやってるんじゃないか」 「あのなぁ、見て分かるだろ? 俺は酔っぱらってて、そんな元気はないよ」 「アタシは酔っぱらってて、気持ちが高揚してんの」 「ていうか、もう40を過ぎてるっていうのに、何でそんなに元気なんだよ」 「アタシから元気を取ったら、何も残らないでしょ! いいからさっさと脱ぎなよ」 「いや、マジで無理だってば」 「うるさい!」 涼花は拒む夫のパジャマを、ほとんど強姦のようにむしり取ると、自分も服を脱いで襲いかかった。
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