第2章 生贄候補となった者達

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25年前と変わらないあの画面。 ルールの内容も同じだ。 ただ違うのは、文字が赤いこと。25年前は白い文字だった。 投票される陸斗のクラスメイトの名前と、その前についている四角いチェックボックス。 「また始まるのかよ」 俊明が震える声で呟く。 「ああ、どうやら神様は、まだアタシたちを許してくれてなかったみたいだな」 涼花が悔しさに顔を歪ませた。 「くっそー」 「それならそれで、何でアタシらじゃないんだよ。何で陸斗に……」 「なぁ母ちゃん。これって何人かは生き残れるんだよね?」 「あ、ああ、うん。今は10月だから、4月までに10人……。いや、今の方が生徒数が少ないから、計算しないと何人かは分からないな」 「ちょっとスマホを貸してくれ」 俊明が涼花からスマートフォンを受け取る。 「どうした?」 「ちょっと気になって」 「何が?」 「やっぱり」 「だから、何がやっぱりなんだ?」 「美沙希ちゃんの名前がない」 俊明は涼花にスマートフォンの画面を見せた。 「本当だ」 高崎茉子の次が美沙希のはずなのに、遠野芽依になっている。 「これって絶対、今治家に何かあるんじゃないかな?」 俊明に見つめられて、涼花はツバを飲んだ。
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