第2章 生贄候補となった者達

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涼花は身体を起こして、ベッドから起き上がる。 「お、おい。どこに行くんだ」 「スマホだよ」 涼花はいつも眠るときには、スマートフォンは寝室には持ち込まずに、リビングで充電しているから、そこに向かった。 「おい、どうするんだよ」 俊明と陸斗もその後を追う。 「ミナトに電話に決まってるだろ!」 「おい、もう夜中だぞ」 「だったら何だよ。陸斗と同じクラスなんだから、ミサキのところにも来てるはずだろ? 投票までに時間がないんだから、夜中だなんて言ってられないだろ!」 涼花はキレ気味に叫びながら、美奈都に電話をかけようとする。 まさにそのタイミングで、着信音が鳴った。 見ると美奈都からだ。 「もしもしミナト」 『涼花大変なの!』 「生贄投票だろ」 『え? あぅ、うん。そう。美沙希のところにあの画面が来ちゃったの』 「うちもだ。今陸斗が寝室に乗り込んできた」 『どうしよう涼花……。何で今頃また……』 「とにかく寝てる場合じゃない。みんなで作戦を立てよう。今から来れるか?」 『あ、うん。主人に聞いてみるよ』 「あ、待て。ならアタシが行った方が良いな。今からそっちに行くから」 涼花は美奈都の返事を待たずに電話を切ると、大急ぎで外出の支度を始めた。
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