第2章 生贄候補となった者達

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インターネットで検索をかけると、かなり詳しいことまで書いてある。 それによると、投票画面は誰かを選んで投票するまで、その画面のままであるらしい。 つまり咲良に連絡を取るためには、投票せざるを得ないようだ。 彩絵はスマートフォンの画面を見た。 そこにあるのはクラスメイトの名前の一覧。 ――どうしよう……。 彩絵は悩んだ。 とにかく今は、一刻も早く咲良に連絡を取りたい。 もしかしたら咲良はすでに眠っているかもしれないけど、クラスのグループラインには、クラスメイトの誰かが書き込みをしている可能性がある。 この際だから誰でも良い。不安な気持ちを共有したいのだ。 もう一度彩絵はスマートフォンの画面を見た。 誰か一人を生贄として選び、神という謎のモノにその命を捧げるのだ。 それはつまり……。 間接的に人を殺すということでもある。 もちろん彩絵には仲の良い友達は咲良だけなのだが、だからといって、それ以外の子が死んでも良いなんて思えない。 でも…… 投票をしないと、このままスマートフォンが使えないのだ。 そのとき彩絵の視線が、一人の生徒の名前で止まった。
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