第2章 生贄候補となった者達

9/40

454人が本棚に入れています
本棚に追加
/521ページ
彩絵の視線の先にあるのは……。 高岡仁の名前だ。 大好きな陸斗の迷惑がる顔が浮かぶ。 そもそも高岡が、生贄投票のことを話題に持ち出したせいで、こんな画面が現れたのかもしれない。 きっとそうだ。高岡のせいだ。 高岡のせいで、生贄投票という呪いが復活したんだ。 彩絵の勝手な思い込みは、彩絵の中でどんどん真実に書き換えられ始めた。 彩絵は迷うことなく、高岡仁の名前の前のチェックボックスに印をつけると、投票するという場所をタップする。 画面が変わり、『選択者:高岡仁』『投票する』『選びなおす』の文字が現れた。 彩絵はそのまま『投票する』をタップする。 するとまた画面が変わった。 『投票を受け付けた。結果は10月19日の正午に発表する。以上』 さらに画面の下に『戻る』の文字。 そこをタップすると、ようやくいつもの待ち受け画面に戻った。 彩絵はホッと息を吐くと、すぐにラインのアプリを起動させる。 とにかく咲良と連絡を取りたかった。
/521ページ

最初のコメントを投稿しよう!

454人が本棚に入れています
本棚に追加