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彩絵の視線の先にあるのは……。
高岡仁の名前だ。
大好きな陸斗の迷惑がる顔が浮かぶ。
そもそも高岡が、生贄投票のことを話題に持ち出したせいで、こんな画面が現れたのかもしれない。
きっとそうだ。高岡のせいだ。
高岡のせいで、生贄投票という呪いが復活したんだ。
彩絵の勝手な思い込みは、彩絵の中でどんどん真実に書き換えられ始めた。
彩絵は迷うことなく、高岡仁の名前の前のチェックボックスに印をつけると、投票するという場所をタップする。
画面が変わり、『選択者:高岡仁』『投票する』『選びなおす』の文字が現れた。
彩絵はそのまま『投票する』をタップする。
するとまた画面が変わった。
『投票を受け付けた。結果は10月19日の正午に発表する。以上』
さらに画面の下に『戻る』の文字。
そこをタップすると、ようやくいつもの待ち受け画面に戻った。
彩絵はホッと息を吐くと、すぐにラインのアプリを起動させる。
とにかく咲良と連絡を取りたかった。
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