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3
美樹は圭が行きそうな場所を探して周り、屋上でやっとその姿を見つけた。
「圭くん!」
美樹がそう叫ぶと、圭はこちらを振り向いた。
「お昼なんでこんなところで食べてるの?」
「悪いか?」
「悪くはないけど……」
入学式から一週間経って判った事は、圭はまさに一匹狼で、口数も少なく笑顔を見せることもなかった。
「圭くんともっと仲良くなりたいの」
そういうと圭は美樹の顔をまじまじと見つめた。
「仲良く……ねぇ……」
「だって入学式の日にビビビッときたの。これって運命だよ!」
「お前……そんな恥ずかしい事よく言えるな」
「素直だけが取り柄ですから!」
ポンと、美樹は自信の胸元を軽く叩いた。
「なぁ、お前さ、本気で運命なんて信じてるのか?」
「もっちろん」
美樹がニッコリ笑って即答するのに対し、圭はため息を吐いた。
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