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「思い出すのが遅いんだよ……入学式で、俺の事を忘れてるみたいだったから、だから断ったんだよ」  二人がまだ小さな小さな子供だった時、圭は同じ様に美樹を水たまりから助けたのだ。  そして同じ様に、美樹に手を差し出して「ずっと一緒にいよう」と言ってくれたのだ。 「あの時……私は引っ越しが決まってたから……本当は手を握りたかったの……でもまさか高校で再会出来るだなんて……」  美樹の方をポロポロと溢れる涙を、圭は指で拭った。  美樹は右手をすっと差し出した。 「私と、ずっと一緒にいてください」  目を瞑って差し出した右手には、暖かな暖かな温もりが触れた。  
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