四葉の君と王子様

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希望を起こしてなんとか教室に辿り着くと、席に着くなりまた寝始めた。 ため息を吐いてその前にある自席へと腰をおろした。 「光おつ。朝から顔疲れてる」 「あ、(うめ)はよ」 隣席の友人に声をかけられ、そのまま挨拶を返す。 「廊下のざわめきすごいと思ったら、今日の姫はいつも以上に王子にべったりだったじゃん」 「もう最近王子呼びはきついかな。姫大きくなりすぎて支えらんないもん」 「眠り姫だもんね、寝る子は育つから」 「育ち過ぎだよ」 「まあでもその目の保養を喜んでる層は多いから」 そういってスマホの画面をこちらに向ける友人に、さらにため息を吐いた。 そこに表示されたインスタ画面には、先ほど私が希望を席に座らせている姿が写っていた。 いいね数がすでに四桁になっていた。 「いいかげん肖像権を主張したいのと盗撮を本人に見せるメンタルについて話し合いたい」 「ほんと受けがいいんだよね。姫と王子タグがそのままあだ名になっちゃったからね。光ってジャニ系の顔してるし、麗しい男子二人の絡みはワールドワイドに推す嗜好家達が存在する」 「いや私は生物学上女だけどね」 「だとしてもこの数十万人のフォロワーには王子なわけ。男性アイドル同士の戯れに癒されたい的な感情わかる?」 「論点をずらす世界選手権あったらいいとこいくと思う」 そのまま目頭をぐっと押さえる。 心身共に朝から相当疲れた。
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