四葉の君と王子様

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すると、梅はちらりと希望を一瞥してから私の耳もとに顔を寄せて手を添え囁いた。 「大丈夫なわけ?」 「何が」 「白咲はそりゃ光からしたら未だ可愛いお姫様かもしんないけどさ。年頃の男にあんなに好きに触れさせてお姉さん心配なわけ」 「いや確かにでかいけどね?立派に男子だけど。でも、中身は変わらず甘えたな昔のままなんだよ、純粋に」 だから大丈夫だと言おうとすれば、梅との間に手が割って入ってきた。 その手はそのまま私の首にまきついた。 「何?俺の悪口?」 「起きたの?なんでもないから大丈夫」 ふんわりとした希望の言葉に、その手をぽんぽんと叩いて否定をする。 「はいはいごめんて、つるかめつるかめ」 「それおばあちゃんとかが使う謎の厄よけ呪文じゃん」 「用法としてはあってるって。眠れる姫の怒りはおさめないと」 「いや、希望怒ってないよ?」 「まあまあまあ。さて、今日の日にち的に光は一限あたるかもよ」 梅の言葉に自分の出席番号と同じ黒板の日付に気づいて、私は慌てて教科書の準備をした。
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