地下要塞

2/6
前へ
/6ページ
次へ
ダンジョン・マスタールーム アイリスは接近するロジナ候国軍の残党狩部隊からミリアリアを護る為に洞窟から造り換えた後にミリアリアを連れてダンジョンの最深部に存在するマスタールームへと移動した。 アイリスとミリアリアが部屋の前に到着するとマスタールームの扉は自動的に開いてアイリス達を迎え入れ、入室した2人の目の前にはゆったりとした造りのクイーンサイズのベッドや応接セットが配置された心地好く寛げそうな雰囲気の空間が広がっていた。 「疲れてるでしょ、ソファーに座って気兼ね無く寛いで頂戴」 「……あ、ああ」 目の前に広がる光景に呆気に取られたミリアリアはアイリスの言葉に生返事を返しながら促されるままにソファーに腰を降ろし、それを確認したアイリスは楽しげに微笑みつつミリアリアの隣に腰を降ろした後に言葉を続ける。 「飲物くらい出したいけど急拵えで造ったダンジョンだから水や食料は備蓄出来ていないの、接近してる愚か者どもを殲滅したら使い魔を使って水や食料を集めさせるから少しの間我慢してね」 「あ、いや、気にしなくて構わない、これでも騎士の端くれだ、一日、二日くらい食べられずともって、違うっ!!」 アイリスののんびりとした言葉を受けたミリアリアはつられてそれに応じていたが途中で我に帰ると慌てて自分自身に渇(一人ツッコミとも言う)を入れ、その後に呆気に取られた表情で目の前に広がる寛ぎ空間を見ながら言葉を続けた。 「ここは、本当にダンジョンなのか?」 「ええ、あたしが洞窟から造り換えたダンジョンよ、急拵えで造ったダンジョンだから5階層しか無いけれど」 「そ、そうか……って5階層もあるのかっこのダンジョンッ!?」 ミリアリアの半ば独り言に近い呟きに対してアイリスから返された答えを受けたミリアリアはその内容に再び驚きの声をあげ、アイリスは不満気な表情で頷きながら言葉を続ける。 「やっぱり寝起きで本調子じゃ無いみたいね、いくら急拵えで造ったダンジョンとは言え、10階層くらいは出来ると思ったんだけどその半分程度だったわ」 「……そ、そうなのか、ざ、残念だな」 アイリスの言葉を聞いたミリアリアは余りに規格外な話の内容に若干ヒキ気味になりながら声をかけ、アイリスは大きく頷いた後気を取り直す様に微笑しつつ言葉を続けた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加