地下要塞

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それらの部屋を突破した末にアイリスの待ち受ける最後の部屋に到着する事が出来るのだ。 「……なんと言うか、凄まじいな、凄まじくエグいダンジョンだな」 ダンジョンの説明を聞き終えたミリアリアは顔がひきつりかけているのを感じながら感想を述べ、それを聞いたアイリスは涼しげな表情と共に口を開いた。 「貴女の反応を見る限り暫くはこの規模のダンジョンで大丈夫そうね、今近付いて来てる連中を片付けたらロジナ候国やその息のかかった連中は新手を注ぎ込んでくるだろうから、当面はそいつらを返り討ちにしつつ情報を収集して今後の方針を決めましょう」 そう言いながら微笑むアイリスの姿を目にしたミリアリアは、改めてアイリスが自分の為に尽力してくれている事に気付かされ、ミリアリアは深々と一礼しながら言葉を続けた。 「ありがとう」 「御礼の必要は無いわよ、だってあたしは魔王だもの、魔王として好き勝手に行動した結果がこのダンジョンなのよ、だから貴女が気にする必要なんて無いわ」 ミリアリアの感謝の言葉を受けたアイリスはくすぐったそうにはにかみながら言葉を返し、その後に悪戯っぽく笑いながら言葉を続けた。 「もし、それでも御礼がしたいっと言うならば、そうねえ、膝枕でもして貰いましょうか」 「ひ、膝枕!?」 アイリスの言葉を受けたミリアリアが頬を赤らめながら驚きの声をあげるとアイリスは悪戯っぽく笑いながら頷き、それを目にしたミリアリアは頬を赤らめたまま暫し沈黙した後に恥ずかしそうに俯きながら言葉を続けた。 「……その、それは、少し、なんと言うか」 「あらあら、気にしなくて良いわよ、半分は冗談だから」 ミリアリアが恥ずかしげな声でもごもごと告げるとアイリスは笑いながら言葉を返したが、ミリアリアは俯いたまま頭を振るとしどろもどろに言葉を続けた。 「……わ、私は騎士として山野を駆け回る事が多い、だ、だから私の太股は、その、か、固いから膝枕には向かないと思う、そ、それと……その……い、今は戦いと逃走続きで、その……綺麗じゃ無いから……ひ、膝枕とかするなら、ゆ、湯浴みをして綺麗になってからの方が良いと思う……だ、だから、今は、その、少し、無理だ」 笹穂耳まで真っ赤にさせながら恥ずかしそうに告げるミリアリアは俯いたままだった、だから、彼女は見る事が出来なかった、自分と同じ様に耳まで真っ赤になってしまっているアイリスの顔を……
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