青いポスト2

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信之は有名私立に合格し、未来のわかる力も手にして、怖いもの無しだった。 そんな信之の運命を変える出来事があった。 それは信之が高校三年の夏。 高校野球の県大会で準決勝を突破し、聖青葉高校としては25年ぶりの決勝戦進出を決めた年だ。信之はエースピッチャーで1番バッター。投げられるし打てる選手、ということで他校やスポーツ記者、地方局の取材陣からも注目を集めていた。 何もかもがうまくいっている信之は、試合の結果を一足先に知りたいという気持ちに勝てず、自分宛に手紙を書くことにした。 『俺へ 野球部に入部して今年で6年目。最初はこんなに活躍できると思っていなかったけど、まさか決勝戦にまで進めるなんて驚きだ。これもチームみんなのおかげだ。負けたらそこで引退だから、最後まで気を抜かず、甲子園を目指したい。みんなで泣くなら甲子園球場が良い。楽しい夏にしよう』 手紙を書いたその日、夕立が降り青いポストが出現した。決勝戦まであと2日。雨が降らなかったら手紙は諦めようと思っていた信之は、自分の強運に驚いた。全てうまくいっている。怖いくらいだった。 そして決勝戦の朝、返信がきた。
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