青いポスト2

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信之は急性胃腸炎かもしれないという曖昧な診断を受け、念のため検査入院をすることになった。 点滴を受けながら野球中継のテレビを見つめた。負けると分かっている試合は見ていてつまらないものだった。本当ならこのマウンドには信之が立っているはずなのに、二番手のピッチャー大山が緊張の面持ちで投げている。 試合に出ず、テレビ中継を見ることはさすがに気持ち的に辛かったので、途中からチャンネルを変え8回表から見ることにした。後攻の聖青葉は0-3で負けていた。試合は動かないまま9回裏まで進んだ。よし、その調子。 そして9回裏、ツーアウト満塁。バッターボックスに立ったのはやはり大山だった。 しかし、2ストライクであとがない局面で、大山は3塁側に大きく打ち上げ、ファウルかと思いきや、ホームランとなった。 信之は開いた口が塞がらなかった。 テレビからは大きな歓声が上がっていた。
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